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ヘリコバクターピロリ菌について

 胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌です。ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を使って、胃酸を中和しアルカリ性の環境にして胃の中で生存しています。感染経路はまだはっきりとわかっていませんが、口を介した感染(経口感染)が大部分であろうと考えられています。感染率は、乳幼児期の衛生環境と関係していると考えられており、上下水道が十分普及していなかった世代の人で高い感染率となっています。ピロリ菌の感染によって胃に炎症が起こり、感染が長く続くと慢性胃炎になります。長い期間炎症が続くと、胃粘膜の萎縮や腸上皮化生が起こり、ピロリ菌に感染した患者さんの一部から胃がんが発生することがわかっています。
 日本人のピロリ菌感染者の数は約3,500万人といわれています。多くのピロリ菌感染者は、自覚症状がないまま暮らしています。

除菌療法の対象となる方

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と内視鏡検査で診断された方
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方
MALTリンパ種の方
特発性血小板減少性紫斑病の方
早期胃がんに対する内視鏡的治療後の方


特に胃がんを予防するためにはピロリ菌の除菌が必要と考えられており、早期胃がん治療後にピロリ菌を除菌した患者さんは、除菌をしなかった患者さんと比較して、新しい胃がんが発生する確率は明らかに低くなっています。


ピロリ菌の検査法

ピロリ菌の有無を調べる方法には大きく分けて内視鏡を使う方法と使わない方法



ピロリ菌の除菌療法

 ピロリ菌の除菌療法は、1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」の合計3剤を同時に12回、7日間服用します。すべての治療が終了した後、2カ月ほど経過してから、除菌できたかどうか、再度検査する必要があります。正しく薬を服用すれば、1回目の除菌療法の成功率は80%前後といわれています。除菌できなかった場合は、2種類の抗菌薬のうちの1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌療法を行います。

除菌療法の注意点

●除菌療法を受ける前に

以下の項目にあてはまる方は、事前に主治医に必ず申し出てください。

●これまでに薬を飲んでアレルギー症状を起こしたことのある方。

●ペニシリン等の抗菌薬を服用時に、ショック等の重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方。

●抗菌薬や風邪薬で副作用を経験したことのある方。
妊娠授乳中の方。


除菌療法の間は、アルコールの摂取(飲酒)を避けてください。

副作用について

除菌療法の薬を飲むと下痢などの消化症状、発疹を起こすことがあります。症状に応じて次のようにしてください。

軟便、軽い下痢などの消化器症状が起きた場合

自分の判断で薬の飲む量や回数を減らしたりせずに、残りの薬を最後まで(7日間)飲み続けてください。ただし、症状がひどくなった場合は、主治医または薬剤師に相談してください。

・発熱や腹痛を伴う下痢、下痢に粘膜や血液が混ざっている場合、または発疹の場合

直ちに薬を飲むことを中止し、主治医または薬剤師に連絡してください。

その他、気になる症状がある場合は、主治医または薬剤師に相談してください。